YOSOMI
余所見:
Logotype, Cap
Non-commercial work
2022.02
Logotype, Cap
Non-commercial work
2022.02
空気が読めない
前の職場でランチミーティングをしていたときのこと。 あくまでメインは食事ではなくミーティング。 上司の話を聞きながら、 頃合いを見計らって箸を動かすような感じだった。 先輩スタッフが相槌を打ちつつ上手いタイミングで食事を進めるのを横目に、 新人の僕は大きなサーモンの乗ったちらし寿司が食べたい気持ちを抑え、 手近な副菜ばかりつまんでいた。 中央の大皿に入ったちらし寿司を身を乗り出して取るのはさすがに危険だ。 しかし、 先輩スタッフは俊敏にそのちらし寿司を食べているではないか! 自分にできないはずがない。 意を決してちらし寿司に手を伸ばした瞬間、 「聞いてる?」 と上司から注意を受けた。 自分なりにその場の流れに乗ろうとしてはいるのに、 なぜかいつも逸脱してしまう。 ちょっと余所見をしたその一瞬を運悪く見られてしまうのだ。 僕は空気が読めない。
これは比喩です
優柔不断だ。 選択ができない。 「これしかない!」 なんて思えたことがないし、 そう覚悟を決める勇気もない。 本は一冊くらい気に入るものがあるだろうと目論んで数冊同時に読み進めるし、 メニューを選ぶときは単品より小鉢でいろいろとチャレンジしたい。 期待を下回ったとか、 好みに合わないだとかいう感情を抱きたくないし、 自分が勝手に決めた基準のせいで自分のテンションを下げたくはない。 だからいつも 「なんでもいい」 と思ってしまう。 きっと間口は広いほうがいいに決まっている。 問題はいつまでこんな風にまわりをキョロキョロしていられるのかということだ。 これは比喩です。